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Hな女の子は嫌いですか?

第8章 衝突



軽く会釈して美月が保健室を出ると
「あんたさ…体調悪くないくせに何、保健室に入りびたってんの?」

横から声をかけられた。
美月は相手を一瞥すると、思わず溜め息をこぼしそうになるが堪えた。
彼女は、紅林を本気で狙っていると同級生内で知られていた。
女子生徒が、紅林に話しかけただけで呼び出したり、本当に具合悪い女子生徒さえも目の敵にする。質が悪いと評判だった。あまり関わりたくないので、余程じゃないと誰も保健室に近づかなくなった。

「遠野さん。私、先週まで本当に体調悪かったのよ。今日は先生に相談しに来ただけで…」
「相談?なら、担任にでも言えばいいじゃん!」
「……………」

一気に億劫になった。
興奮している彼女は聞く耳持たない。

「もう授業が始まるから行くわ」

美月が立ち去ろうとすると、ガシッと腕を掴まれた。

「あんたさ…白河と付き合ってんでしょ?なら紅っちに色目使ってんじゃねーよ…」

(紅っちて…)

ギリッ…

「………っ!」

掴まれた腕に力を込められ、痛みが走る。

「離し…」
「あんたなんか…ヤリマンのくせに…」

(本当…質が悪い…)

噂を盲信して、何も見えてない。

「紅っちは私のなんだから…!」

そんな言動してるから周りと疎遠になるというのに…。彼女には、紅林だけ居ればいいのだろう。
勝手にすればいい。
勝手にすればいいが…
ガッと美月は遠野の肩を掴む。

「遠野さん…私、真面目に勉強しに来てるのよ?貴女も少しは勉学に励んだらどう?私達の場合、恋愛はちゃんと学校生活送ってこそだと思うわ」
「はぁ!?」

美月は彼女の胸ぐらを掴む。

「だから…授業に遅れちゃうでしょ?下らない事で私の勉強の邪魔しないで!」
「………っ!うっぜ!」
遠野が怒りで美月を殴りつけようとした時―

ガラッ

「…保健室の前で何してる?」

怒り心頭の紅林が立っていた。

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