第1章 始まり
夢は、翌日になっても、昨日の二人を思い出すと、身体が熱くなった。
あの二人が誰かは知らない。
知る必要も、特には感じない。
(頭切り替えなくちゃ)
(今日も図書室に行かないと…)
読みたい本があったのに、結局、貸りれず仕舞いだった。
「おはよう。」
後ろから耳もとで言われた。
「うわっ!」
振り替えると美月先輩だった。
夢の反応にクスクス笑っていた。
「おはようございます…もう、先輩…驚かさないで下さいよっ!」
ぷぅと、頬を膨らませ拗ねた顔しても、美月は笑ってた。
「ごめんね。私の趣味だと思って諦めて」
「悪趣味ですよ!」
「ごめんね。あ、部活来週から文集作りに入るから、書きたいもの考えといてね」
「あ。はい、わかりました」
夢と美月の入ってる文芸部は、基本自由だ。
行きたい時に行く。
絵を書いたり、短編を書いたり皆、好きな事をして過ごしているが、半年に一冊は文集を作っている。
(う〜ん、何を書こうかな〜…)
参考のためにも、今日も放課後に図書室へ行こうと改めて決めた。