第8章 衝突
なんてぼんやり考えてたら、白河に頬をつねられた。
「ぼ〜としてないで、さっさと先生にこれ見せて片付けるよ」
「はっはい!」
まさか頬をつねられるとは思わなかったので、反射的な返事をした。
そして担任に状況を見せ、片付けた。暫くは別の下駄箱を利用する事になった。
ゴミを捨てる時に発見した上履きは、ボロボロにされ、ゴミ箱に捨てられていた。
「犯人を見つけ次第弁償させるから、それまでスリッパだな」
「はい…」
頭はまだ現実を受け入れられず、拒否したい気持ちで一杯だった。
「白河先輩、色々ありがとうございました…」
頭を下げる。
(…先輩がいなかったら、いつまでも立ち竦んでいたかも…)
そんな事を考えていたら、溜め息が頭上から聞こえた。
「いや…多分、俺の同級生の仕業だと思うから…」
うんざりした様子で、頭を掻きながら続けた。
「低レベルな先輩のせいで、不快な思いさせたね」
白河は、わざと周りに聞こえる様な声で言ったので…。
ピシッと、その場にいた2、3年生が固まる音がした…気がした…。
夢も思わず固まる。
「あ…あの…」
(さすがに言いすぎじゃ…)
「別に、本当の事でしょ。というか、こんな低レベルな事する奴と同い年っていい迷惑…」
白河は不機嫌MAXだった。
思わず「あわわ…」と焦る夢。
「夢ちゃん!」