第6章 噂の二人
「白河君は、青野さんと付き合ってんの!知らないの?あんた青野さんと同じ部活でしょ?どういう神経?青野さんに悪いと思わないわけ?」
一方的に言いくるめられる。
「そ…そんな…」
「何?青野さん、あんたに白河君取られるかもって、私に泣きついたんだかね!」
「…!」
嘘…。
「昨日だって、それを気にして体調崩したんだから…」
「違います」
違う。
美月先輩は…
美月先輩なら…
「美月先輩と白河先輩はそうゆう関係じゃないです」
「は?何言ってんの?」
「だって美月先輩なら…」
「あんたより私の方が青野さんの事、知ってるの!友達なんだからさ!」
彼女の言い分に、頭が熱くなった。
「もし、そうでも美月先輩はあなたに泣きついたりしません!そんな事する前に、ちゃんと私に、話してくれます!」
私の知る美月先輩は、そうゆう人だ。
そんな話しなら尚更、ちゃんと話してくれる。
自分は美月先輩に、大事にしてもらってるって、自惚れかもしれないけど、そう感じてる。
「先輩の様な方と、美月先輩が友達なんて信じられません!」
何より取って作られた設定に感じた。
爆発する感情のまま叫んでた。
はぁはぁと息が荒くなった。
「あんた…本当…生意気!」
胸ぐらを掴まれた。
殴られる。
思わず目を瞑った。
ぱしっ
「…こんな所で、暴力か?」
女子生徒は青ざめた。
「あ…」
保健の…先生だ…
確か名前は…
「紅林…先生…」