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Hな女の子は嫌いですか?

第6章 噂の二人



後日。昼休み。
噂はどんどん広まっていた。白河と付き合ってるとかならまだいいが、過激な内容も増えてきた。ヤリマンだの援交してるだの…主に美月を、悪く言うものだった。

美月が、廊下を歩くたびヒソヒソされる。

気持ち悪い。
美月の顔色はとても悪かった。

「美月先輩!」

顔を青ざめた夢が、駆け寄って来るのが見えた。

(夢ちゃん…)
美月は、声に出す気力もなかった。
夢は美月の背中に、手を当て支える様にした。

「保健室行きましょう!」
夢の切羽詰まった様子に、美月は苦笑した。

(こんな顔するんだ…)

鈍くなる頭で、ボンヤリ思っていた。



夢に連れ添われ保健室に着く。

「失礼します!」

勢いよく開けた。
先生は不在の様だ。
なんとなく美月はほっとした。
ベッドまで行き
「美月先輩…取り敢えず休んで下さい。先生は職員室かな…?」
夢は、美月をベッドに座らせ、辺りを見渡す。

「…少し休めば楽になると思うわ…それより夢ちゃん…何か用があったんじゃない?」
「あ…はい。さっき部長に会って、今日は部室使えないみたいで、空き教室使うからって…ちょうど美月先輩を見掛けたんで知らせようと思ったんですけど…」
「そう…ごめんね。手間かけちゃったわね…」
「そんな…!」

美月の顔色を見れば見る程、夢は心配で仕方なかった。思わず泣きそうになる。

「そんな顔しないで?」
「…っ…美月先輩…」

涙目になる。

(辛いのは美月先輩なんだから…)
涙を必死に堪える。
そんな夢の腕を、引き寄せ額を胸元近くにくっつけた。

「大丈夫よ…」

美月の声は弱々しかった。

「美月先輩…」

ガラッ

「あれ?どうし…」

ベッドに誰か居るのが見えて、顔を認識すると思わず紅林は固まった。

泣きそうにこちらを見る夢と、見るからに顔色の悪い美月。
足早に二人の方へ向かった。

「先生!美月先輩が…」
「…だから、大丈夫よ。すみません…先生、少し休んでいいですか?」
「ああ…。君は教室に戻りなさい。そろそろ授業が始まるだろ?」
「…はい」

夢は後ろ髪を引かれる思いで、お辞儀をし保健室を出た。
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