第6章 噂の二人
「じゃあ…後は閉じるだけ?」
「そう。てか、先生もなんで俺たちを指名するんだろ…」
「私達が、クラス委員に見えるかららしいけど…」
「は?…それ別にいるって言うのに…」
「本当よね…」
部室を出て、白河と歩きながら先生に頼まれた資料整理について話ていた。
廊下で女子生徒とすれ違う度、ヒソヒソされたり好奇な目で見られる。
(…なんか、デジャヴを感じるわ…)
あれは、中学の時だったか。その頃は、クラス委員だった白河と一緒にいる度に、今の様な視線を感じた。(委員の仕事をしていただけなのに)
「はぁ…またか…」
隣の白河は、うんざりした様子だった。
美月は苦笑した。
ふと隣から視線を感じた。
白河が美月を見ていた。
,,
「…青野。また、顔色悪いよ」
「………………」
゙まだとは、最近の事かと思ったが、中学時代にも体調を悪くしたのを思いだし、後者かと納得した。
「私といる度に、噂されてツイてないわね白河君」
なんとなくイラッとした美月は、意地悪を言う事にした。
「そんなの、お互い様だろ…」
自嘲する。
そして…
「「はぁ…」」
二人は、同時にため息をついた。
他人から見て自分たちは、そんなに仲良しに見えるのだろうか…
また、憂鬱な気持ちがやってくる。