第5章 百合心中
「…あの時、実を言うと私…美月先輩に迫られて、嫌じゃなかったんです。…むしろ、興奮してました。」
思い出して、身体が熱くなる。
(…そう。嫌じゃなかった…それ所が、エッチな事が出来るかもと期待しちゃった…)
実際その後、エッチな事をしたのだ。
「…そう。」
美月は瞳を閉じて息をつく。
「それを聞いて安心したわ。でも、急にあんな事して驚かせたわよね。ごめんなさい。」
美月は頭を下げた。
それを見て、夢は慌てた。
「いえっ…そんな!頭上げて下さい!」
美月は頭を上げた。
「私、美月先輩の事好きですから!」
つい大きな声で言ってしまい、周囲の視線を感じた。
自分の言動に、顔を真っ赤にしてしおらしくなる。
「…ごめんなさい…。」
そんな夢を見て、美月は吹き出した。
「あ…!もう…笑わないで下さい…!」
ますます笑う美月に、顔を赤くしたままふくらっ面になる。
「ごめんごめんっ!」
笑いながら謝る美月を見て、ほっとする。
やっと前の関係に戻れた気がした。
「は〜…ねぇ、まだ時間は平気?」
「あっはい。大丈夫ですよ。」
「私の家、近くなのよ。良かったら寄ってくれない?」
(美月先輩の家かぁ…)
夢はあまり深く考えないで答えた。
「ぜひっ!」
期待を胸に抱いて。