第2章 図書室での出会い
二人が、校舎から出ていく所を、見ていた人がいた。
「……………。」
美月は微笑して、二人を眺めていた。
「青野?」
窓に寄りかかり外を見ていた美月は、声のした方向に顔を上げた。
そこには、自分を心配した目で見ている保健の紅林がいた。
「ああ…先生…。」
「どうした?また具合悪くなったのか?」
「ちょっとぼんやりしてただけですよ。最近、保健室に通い続けていて、すみません。」
「いや。保健室は、体調が悪い時に利用する所なんだから。」
「それもそうですね。」
美月は息をついた。
最近、続いている自分の体調不良に、いい加減うんざりしていた。
(早くなんとかしなくちゃ…)
原因はわかっている。
この常態を、前にも味わった事があるから。
美月はそっとため息をついた。