第2章 図書室での出会い
美月の言葉を、聞いた白河は冷笑した。
その顔を見た夢は、寒気で顔が青ざめてくのを感じた。
「…青野。俺をからかうなって言ってるよね?」
夢を挟んで、美月と白河は睨みあった。二人の背後に、バチバチとした火花が、見える様だ。そんな二人の間に挟まれた夢は、生きた心地がしなかった。
「下らない話に付き合う義理はないよ。用が済んだらさっさと帰れ」
「はいはい。失礼したわ。それじゃ…夢ちゃん帰る時は、気をつけて帰ってね」
「あっ、はい。美月先輩も気をつけて!」
軽く会釈して美月は、その場を去った。
美月の姿が見えなくなって
「あいつ…機嫌悪かったな」
「えっ!?」
思いがけない言葉に、白河を見る。
「いや…機嫌じゃなくて体調…か。最近、よく保健室に通ってるし」
「え…美月先輩、どこか悪いんですか?」
夢の前では良き先輩の美月を浮かべ、不安にかられた。
「一時的なものだろうから、大事にはならないと思うけど。」
(それなら大丈夫かな…)
「大丈夫だろうけど…しばらく気にかけてやって」