第2章 図書室での出会い
ぼんやりしていたら、声が聞こえた。
「あら。珍しい組み合わせね」
この声は…
「美月先輩!」
「青野か…」
声の主に、二人振りかえる。美月の姿を見て、二人同時に反応した。
「私、本を貸りに来ただけよ。それにしても、ここは面白い図書室ね」
美月の言葉に、彼は怪訝な顔をする。
「?何言ってんの?」
「面白い事がよく起こる、図書室だと思ったのよ」
その言葉に、どきっとした夢を見て、美月はウインクした。
「何言ってるんだか…」
彼は、美月の言動に、溜め息をこぼしながら言った。
「白河君。私の可愛い後輩をいじめないでね」
「俺が、いじめをする人間に見えるの?」
「挨拶のような台詞なんだから、真面目に受け取らないでよ。いい機会だから紹介するわね」
そう言い、夢の肩に両手を置き、美月は話を進めた。
「春川 夢ちゃん。私と同じ部活なの」
白河と呼ばれた彼が、夢を見る。
目が合いどきっとする。
「それで彼が、私の同級生でクラスメイトの…」
「白河 有斗だよ。一応よろしく」
「そっけない人ね。でも、気にせず話かけるといいわ。貴女に振り回される彼を見てみたいし…」