第2章 図書室での出会い
そんなこんなで。
夢の頭は、隣に座った男子で一杯になってしまった。
意識するなと言われたにも関わらず。
(うわ〜、こんなシチュエーション!まさか体験する日が来るなんて!!)
まるで少女漫画みたいで、夢は興奮した。
ちらっと彼を見る。
髪はふわふわしてるのに、冷たい雰囲気の彼のギャップが堪らなく感じた。
妄想スイッチが入ってしまう。
会ったばかりの人に大変失礼な行為でも、妄想は自由で無意識に浮かんでしまう。
だって、妄想の中なら実害はない。
(こんな人に、最近流行りの壁ドンとかされたら?
いきなり襲われたらどうしよう?な〜んて…)
思わずにやけそうな顔を、本で隠す。
(…まぁ…妄想でしかないし、結局、相手がいないから、虚しいだけなんだけどね…)
ふと目の前にある窓を見る。外は、綺麗な夕焼け空が広がっていた。
(私も、恋したいな〜…)
リアルの恋は
恋人がいたら
どんな感じだろう
今のところ妄想の中にしか、それはない。
リアルは厳しいものだから。