第9章 蘭丸×峰 不○子
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何周もして
閉館時間が訪れる。
外へ出ると
ザーッ
どしゃ降りの雨。
ラッキー!
なんて思ってる俺の横で
顔を真っ青にして絶望する○○
『私が何周もさせてしまったから…( .. )
このあと蘭丸さんの行きたいところに
付き合う約束だったのに……
ごめんなさい…』
あまりにも沈んでるから
ウキウキしちまってる俺はちょっと罪悪感…
「ま、まぁ気にすんな…
俺の行きたいところは夜でも
全然大丈夫な所だから」
『でも、ここからどうやって行きます?…
ずぶ濡れでは電車にも乗れませんし…』
「そうだな…
急な雨だからタクシーも混んでて
捕まらねぇだろうな。」
『うーん、…
でもタクシー捕まるまで待つしかないですよね…( .. )』
「んー…」
シーン…
と少しの間沈黙があり、
「じゃあ、雨宿り、していくか?」
と俺は少し行ったところにある
ビジネスホテルを提案。
こいつも、それでいいと言ってくれた。
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ガチャ…
カードキーで中に入ると
セミダブルの部屋。
とりあえず、
ずぶ濡れの服を脱がないと、
ってことで
○○は風呂で脱いで
そのままシャワーを浴びる。
俺はパンツまで全部脱いで
タオルを腰に巻く。
窓から外の様子を見るけど、
一向に止みそうにない。
(雨宿りだからな。
もうちょっと頑張ってくれよ?)
なんて空に願いながら
ベッドに寝転ぶ。
しばらくして
ガチャ…
とバスルームの扉が開き
タオル姿で出てくる○○を
想像していたが違った。
(なんっつーもん着てんだこいつ。)
『蘭丸さぁん、助けてください。
これ、脱げない///』
チャックがへそ辺りまである
黒のレザースーツに茶髪。
某怪盗アニメのヒロインさながらの
服装に身を包んだ女が
チャックを引っ張りながら
近づいてくる。
「お、おい!!!?///、
おまっ、
なんで、んなカッコしてんだよ!?//」
ベッドから起き上がる俺。
『わ、わかんなっ、…//
お風呂上がって鏡見たら、
こんな、カッコでっ…////』
とテンパりながら出てきておいて
『そ、それより、…蘭丸さ…ッ、裸ッ////』
と、俺の裸を直視しないように
モジモジしながら俯く。
なんか、
恥じらってるし
すっげぇ可愛い。