第34章 真斗×ウェディングドレス
ある日…
いつもは出向かないパーティに
父の代わりとして出席することになった。
というのも、
神宮寺財閥の長男が
結婚することになったのだとか…
父は神宮寺財閥から
招待状を受け取ったものの
気が乗らなかったのだ。
行かないのは
面目が立たないと、俺を代わりに出席させた。
だが俺はここに来て
衝撃の事実を目の当たりにしなければならなくなる。
「皆様…今夜は
私、神宮寺誠一郎の婚約会見に
お集まりいただき
誠に有難うございます…」
神宮寺の兄の挨拶が始まると、
「やぁ、聖川…
お前が来たんだな。」
神宮寺が話しかけてきた。
「あぁ。
父が来ないというのでな。」
「うちも、似たようなものだ。」
「そうか。
その…お兄さんの婚約者というのは?」
「あぁ、
政略結婚だよ。
かなり優秀な人らしい。
□□財閥のご令嬢だとか…」
「ほぉ…
□□…か…
最近名前を聞かなかったので
まるきり忘れていた…」
「それが
なんとか持ち直したらしくてね、
その立役者がそのご令嬢なんだと。
この業界は
今やその話で持ちきりだよ。
そういう話題性も含めて
この神宮寺に取り込むつもりらしい。」
「…なるほど、
まぁ、恋愛結婚なわけがない…か、」
「それでは、
私の婚約者をご紹介いたします。
□□財閥のご令嬢…」
「お、そろそろでてくるみたい」
「あぁ。」
「□□ ○○です。」
俺は、耳と目から入ってくる情報に
固まってしまった。
「せ、せんせ…ぃ…?」
彼女が、…令嬢?結婚?