第34章 真斗×ウェディングドレス
彼女は、
ペコリと頭を下げて
『皆様…
今夜は私と誠一郎さんのために
お集まりいただき、誠に感謝いたします。
この度、誠一郎さんと
結婚することとなりました、
□□ ○○と申します。
今後立ちはだかる
様々な壁を
2人で乗り越え…長い時を共にしていきます…』
挨拶を始めた。
あの時の先生の言葉が脳裏をよぎる。
"無理…だと思うな…"
こういうことだったのですね…
俺はこの現実に、
どう立ち向かっていいのか
すでにわからなくなっていた。
あぁ…先生…
貴女はなんて罪な方なのか…
挙式の日程も告げられ
この会場にいる方を皆招待すると言っていた。
おそらく
また俺が出席することになるのだろう。
どうすれば彼女を奪える?
そもそも彼女は好きで神宮寺に
嫁ぐのか…
俺でも良いのではないか?
そんな考えばかりが
俺の頭を支配して行く。
"そうだ…
彼女は無理やり結婚させられるのだ…
ならば、奪ってしまおう…彼女を。"