第33章 音也×ベビードール
月明かりだけが部屋に入って来て
私達のベッドを白く染める。
音也くんの肌の色も何だか白く見えて
私の肌の色も白く見えた。
音也くんの綺麗な赤色の髪が
月明かりでキラキラ光って眩しい
私は霞んだまま、
その光の側に居続けられる自信がなかった。
それでも、音也くんは私が居ないと
生きていけないなんて言ってくれるから
霞んだ色の私でも彼のそばに居られる。
今日は寝られないだろうからって
私が寝るまでずっと起きてくれてる。
音也くんの腕枕で向かい合って
キスもセックスもせず、ただ見つめ合う。
月の位置が変わって
影が形を変える。
音也くんの曇りのない瞳が
私の脳まで見透かすかのようにじっと見つめる
今日の音也くんは今までで1番カッコよくて
1番頼りになる男だった。
この人の腕の中に居れば、安心なんだと
そう思わされた。
スッと目を閉じると、
すごく暖かな夢を見た気がした。