第33章 音也×ベビードール
「○○!!!!?
どうしたの!?!?大丈夫!?!?」
玄関の方から聞こえたのは
今1番会いたかった人で
今1番会いたくなかった人。
息を切らしているところを見ると、
アパート下から私の泣き声が聞こえて
走ってきてくれたんだと思う。
でも、私は
目隠しの状態で、ベットに固定され
拘束具でM字開脚をさせられてる上
ナカから他の男の精液を漏らしている…
もう死にたい。
「なにしてんの。」
音也くんの空気が変わったのがわかる。
「強姦。」
四ノ宮くんの声がどことなく
震えてるのもわかる。
『助けて…』
この一言しか言えない。
「チッ。
あれで懲りたんじゃないのかよ。」
荷物を投げ捨てて土足で
寝室まで来たのがわかった。
ドンッと鈍い音がすると、
私の目の前から気配がなくなる。
多分四ノ宮くんが、蹴り飛ばされた。
そして、
「ッテェ…意外と帰ってくんの早かったな。
だが、そいつはもうお前だけのものじゃねぇ。
俺をナカに刻み込んでやった。
お前がそいつから目を離した隙
俺はまたこいつに同じことをするからな!!」
そう吐き捨てて四ノ宮くんは
窓の外へと気配を消して行った。
「クソッ、逃した……
○○っ!?!?大丈夫?」
そう言って、
慌てて目隠しと拘束具を外してくれる音也くん
その優しさが、痛くて辛くて…
涙を堪えても止まらなくて
何だかなにもできそうになかった。
『う、うぅ…
ごめんなさ…ぃ、うぅ…』
「ごめんは俺だよ…
俺がこんなものつけてなければ
○○は逃げられたかもしれないのに」
『ううん、
音也くんが私を守ろうとして
こうしてくれたって分かったから…
本当ごめんなさい。
何もできなかった私が悪いの…』
2人で抱きしめ合いながら
枯れるほど泣いた。
自分たちの愚かさを悔いて…