第32章 那月+砂月×制服
「俺だ!!」
「いや、僕です!!」
赤ちゃんの頃から仲の良かった2人が
喧嘩しているのを初めて見て
私は驚いた。
すぐに中に入って
『ど、どうしたの?
なんで、喧嘩してるの?』
と、聞いた。
「なんでって…」
私が入ってきて少し落ち着いた様子の2人は
「○○(ちゃん)がどっちのことが好きかを言い争ってた(んです)」
と、バツの悪そうに答えた。
『へっ!?!?///』
幼かった私は初めての求愛に
戸惑いつつ、
『2人とも大好きだから、選べないよ。
どっちも好き…じゃだめなの?』
という答えを出してしまった。
これで2人が喧嘩しなくなるなら、と
幼い私が出した最適解だった。
ただ、それは現代社会のモラルでは
許されないもので
2人を好きという事実はひた隠すべきものであると
それに気がついたのは
中学校にあがって少したってからだった。
中学校にあがっても、
2人は私に、私は2人に好意を抱き、
それを隠さなかった。
それをみた他の女子たちにはひどいいじめをうけ、
男子にもお前らはおかしいと罵られた。
そのとき悟った。
"あー、これはひどく狂った関係なのだ"と。
それから私は
思春期にはいったこともあり、
2人とは人前では距離をおくようになった。