第31章 セシル×OL
「ふ…っ、貴女という人は…
こんな下衆野郎に頭まで下げて…」
少し自虐気味に笑う一ノ瀬くんに、
『げ、下衆なんかじゃ!!
そ、それに、一ノ瀬くんに助けられた数に比べたら
こんなことなんて、全然だよ。
だから、…また、友人として一緒にいさせてもらえないかな?』
こうお願いしてみた。
「!?!?//」
「○○!?!?」
一ノ瀬くんも、セシルくんも固まっちゃった。
『ごめん、セシルくん…
でも、一ノ瀬くんも大切な人なの…』
セシルくんの顔を覗き込むと
「また、貴女に強引にするかもしれないですよ?」
という声が聞こえ、
「なっ!?!?」
セシルくんが少し慌てる。
『そのときは、セシルくんが助けてくれるもん。』
と、私が自信満々にそう言い放つと、
「っ、○○〜っ、いくらワタシにも、
できることとできないことが…」
と、肩を揺すられる。
『え?できないの?』
再び顔を覗き込むと、
「うぅ…できます。やらせていただきます///」
セシルくんは顔を真っ赤にして
ヤケになって言い放った。
こうして、
資料室事件は
私とセシルくんと一ノ瀬くんの関係を
少しだけ進展させた形で幕を閉じた。