第31章 セシル×OL
そして、
『 はなしっ、…ふっ、ンンッ!?!?///』
キスされてしまった。
「ん…」
何度も角度を変えて、
クチュクチュと口内を掻き回す一ノ瀬くんの舌…
なんか…一ノ瀬くん怖い…
無言で、表情も変えず
ただ私に口付ける一ノ瀬くんが恐ろしくて
何故、このようなことをしているのか
私は訳のわからないまま、
押さえつけられた腕の拘束を解こうと抗っていた。
『んっ、んんっ…はっ、…やっ…』
「…っ、!!!」
やっと、捕らえた舌を思い切り噛むと
私を拘束していた一ノ瀬くんの腕がようやく、緩んだ。
その隙に、バッと一ノ瀬くんを押し、
早く出口に…!
急いで向かおうとするけど…
ガッチャン…
鍵を閉める音がして
『っ!!!??』
いつの間に回り込まれたのか、
一ノ瀬くんが扉の前に立ちはだかった。
『な、なん…で…??』
崩れ落ちるようにその場にへたり込む私。
私の知ってる一ノ瀬くんの雰囲気とは打って変わって
獣のようなギラギラした目で私を見る一ノ瀬くん。
そんな彼になんとか言葉を振り絞って、
最大の疑問をぶつける。
"なんで、こんなことするの?"
「なんでって……私は貴女が好きなんです。
誰にも渡さない。
渡るわけないと思っていました。
なのに、…貴女という人は…
8歳も歳下?…ふざけるなッ!!!」
シンとした資料室が
ビリッとした空気になる。
見たことのない一ノ瀬くんの一面に
涙が溢れる…
「私がどれだけ貴女に尽くしてきたか…
貴女以外の女性には見向きもしてません。
興味もなければ、優しくする気も起きない…
貴女だけなんです…」
座り込む私の腕をそっと握って
自分も膝をついて
涙を流す私の頬にそっと触れる…
ビクッ…
どれだけ、優しくされても
愛を囁かれても…
それでも私は彼に怯えずにはいられなかった。
『やだ….触らないで…』
「!!?…なぜです……」
ガシッ
一ノ瀬くんを拒絶した私は
肩を掴まれる
怖くて
『……ル…く…っ』
気づけば彼の名前を呼んでいた…