第31章 セシル×OL
あの日から二週間がたった。
私は日課だったランチにも行けなくなり、
1人、コンビニで弁当を買ってデスクで食べることが多くなっていた。
(最近のコンビニ弁当も…あなどれないな…)
こみ上げてくる何かを必死に隠して
ただ毎日を自分の中の弱さに負けないよう戦い続けるしかなかった。
ただ、どうしようもなく泣きたくなる時は…
コツコツ…
ガチャ…
このあまり使用されない資料室で
『っ……』
と、声を押し殺して泣いた。
だけど、今日は違った。
「どうしたのですか?」
『⁉︎⁉︎』
人がいたのだ。
「どなたです?
何をして、…!!!!
って、あなたですか…」
『あ、…えっと……
ごめん、一ノ瀬く…』
涙をぬぐって一ノ瀬くんのほうに向き直ると
ギュッ
一ノ瀬くんの匂いが近くなる。
抱きしめられたことに気づいて
『いっ、いい一ノ瀬くん!?!?///
はっ、離して!!』
と、抵抗する。
いくら一ノ瀬くんがイケメンで優しくても
こんなこと、セシルくん以外にされたくない。
だけど、一ノ瀬くんの腕は一層強く私を抱きしめ、
私は身動きがとれなくなった。