第31章 セシル×OL
ふと窓に目を向けると
(私、毎日ここでセシルくんのこと見てたんだよね…)
なんて、考えてしまう。
懐かしんで窓の外を眺めていると
「あの…っ、」
やっとセシルくんが喋ってくれた。
『ん?』
でも、
「いえ、………なんでも、ないデス。」
と、再び黙り込んでしまった。
『……ごめんね…』
(こんな彼女で。)
「………」
結局それからふたりとも
沈黙のままお昼休憩を終えた。
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セシルside
昼休憩を終えて
最後まで優しく声をかけてくれた○○に返事もできない自分が情けなくて仕方なくて、
オトヤたちに連絡をシタ
"今日、飲みに行きませんカ?"
すると、
"どしたの?俺は大丈夫だよ!"
"私も行く行く〜!"
"私も行きます。"
すぐに反応が返ってきた。
今日は3人と一緒にいたい気分デス。
○○と一緒にいるのは少し辛い。
さっきワタシは彼女に恋人ではないとハッキリ言われまシタ。
友達に彼氏と紹介されなかっタ。
彼女と恋人同士だと思っていたのはワタシだけだったようデス。
フラれまシタ。
彼女はずっと大人でシタ。
ワタシが子供なのが原因なのかもしれまセン。
甘えすぎてしまったのでしょうカ。
それとも、あの時の男の人が本当は彼女の恋人で
彼女はワタシを弄んでいる?
……はぁ…考えれば考えるほど分からなくなりマス。
ワタシはぐちゃぐちゃになる思考を停止して
学校に足早に帰って行った。
ワタシの友人3人が、
抱える感情についてなど、
知りもせずに。