第31章 セシル×OL
(えっ、…??)
宇野ちゃんと呼ばれた大人しめの女の子とセシルくんが少し目を合わせて驚いた表情を見せる。
音也くんがそれを見て、
「ね?息ぴったり。
八戸は?そう思わなかった?」
天使のようなキラキラ笑顔で隣の八戸ちゃんにそう言う。
「うん!思ってた//」
フレッシュ感溢れるその雰囲気が眩しくて見てられない…っていうか…
(そんなに、宇野ちゃんと仲よかったんだ…セシルくん。)
少し、その話が続いているのを聞いていると…
「あれぇ?こんな可愛い人…うちの学校にいましたっけぇ?」
と、目の前に立ち憚る巨人と、
「バカか見てみろよ、
会社の制服着てんじゃねぇか。
この人は社会人。俺らより上だよ…」
と、小さい男の子。
「お前今、失礼なこと考えただろ?」
『へっ!?』
「俺のこと小さいっておもっただろぉ!!!」
『ひっ、ごめんなさぁぁい!.』
すごい形相で睨まれたので謝ると
「いや、そこは否定しろよ!」
と、つっこまれる。
なんだか、聞きたくもない話を延々と聞かされていた私にとっては救いの手だった。
「もう、翔ちゃん?
女の子をいじめちゃダメですよ?」
(女の子……///)
「はぁ?いじめてねーっつの。」
「あの、…社会人さん、
ぎゅーってしてもいいですか?」
『はっ?』
「はっ?
おい、那月?やめろよ?な?
この人は俺みたいに頑丈じゃないんだからな?」
「それじゃ、高い高いにしましょう」
がしっと脇を掴まれて
ぐいっと上に上げられる
『きゃぁぁあ!!!!
せ、セシルくっ、たすけてぇぇ///』
もう、校門のすぐのところまで来ていたセシルくんが
私に気づいて走ってきてくれる。
(ごめんね…お話の邪魔してしまって…//)
「○○っ!!
ナツキ!何をしているのデスか!?!?」
「えぇ〜高い高いですよぉ〜」
『お、おろおろおろしてぇぇ』
「こら、那月っ!
嫌がってんだろ!離してやれっ!!」
グイッ
翔くんが那月くんをどうにか説得してくれて
なんとか助かった私。
もう。ほんと、最悪。
「ほんと、ごめんな。
セシルもわるかったな。」
『あ、ううん。
こっちこそ、なんかごめんね』
那月くんたちがしぶしぶ去ったあと、
「○○、怪我はなかったですか?」
と、心配してくれるセシルくん。