第31章 セシル×OL
**
今日はいつものデスクワークではなく
社内のいろんな部署に書類を届けに行く仕事だった。
『一ヶ月に一回のこの仕事が、
こんなしんどい日にまわってくるなんて…』
はぁ…
セシルくんに会いたい…
ふと思った私はトイレにいって携帯をみる。すると、
セシル
という名前の下にこう書かれてあった。
"やっぱり、学校にいってきマス。
何処かでお昼ごはんでもどうデスか?"
『っ〜////』
私が思っていたことを先に言われてなんだかむず痒くなる。
私も
"いきたいっ!!
私たちを会わせてくれたカフェレストランでどうかな?"
と、送信し、
"わかりまシタ"
と、返事が来たのを確認して仕事に戻った。
自分の部署に戻ると、上司に
「これ終わったら午前の仕事はもうないから
ちょっと早いけど、昼休憩入れ〜」
と、2つだけ書類を渡された。
それを各部署に渡しに行ってから更衣室に向かった。
セシルくんに
"早く終わったから大学まで迎えに行く"
と連絡して
上着を着て会社を出た。
セシルくんと音也くんが通う大学は
本当にあのカフェのすぐ近くで
会社からもあまり遠くはない。
コツコツ…と、ヒールを鳴らして歩いて行くと
すぐに見えてきた。
お昼が始まった頃なのか
みんなわらわらと校門から出てくる。
セシルくん、みつけられるかな…
ってか、さっきからすごい見られるんだけど…///
私はこの格好をみて笑われているのかと思い、
上着をキュッとしめて俯いて歩いた。
校門にある腰の高さくらいまである石段に腰掛けてセシルくんを待っていると
「アハハハ!!
やっぱりセシルくんておもしろーい」
という声が聞こえる。
「な、なぜ笑うのデスか…//」
どうやら、セシルくんと音也くんと女の子2人が
雑談をしながらこちらに向かってきているようだった。
(仲、良さそう…)
女の子2人のうち、1人は気の強そうな明るい子で、
もう1人は、セシルくんの横で顔を真っ赤にして俯いている少し、大人し目な子。
「だって、急に28と付き合ってるとか言い出すし!」
「ほ、本当デス!!」
「ねぇ、音也くんはどう思う?」
「うーん、別にいいんじゃない?
でも、セシルは宇野ちゃんのことが好きなんだと思ってたから、ちょっとびっくり!」
「えっ!?」
「へっ!?////」