第31章 セシル×OL
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注文を終えて料理が運ばれて来るのを待っていると
ふと、私の特等席に座っていた男性が席を立つのが見えた。
すると、音也くんの方へふらっと歩いて行き、お会計をしているようだった。
(!!!!
あの人は…いつもこの店の前を通る…)
しばらく二人の様子を見ていると
音也くんの声がうっすらと聞こえる。
「セシル、大丈夫なのかよ〜;;
最近、体調悪かったんだろ?
学校にも来てなかったし。」
「……ハイ。心配かけて…すいまセン。
まだ、少し体調がよくないようデス…」
少しカタコトで話すセシルと呼ばれるその人は、どうやら音也くんの友達。
ジッと2人を見つめる私にセシルくんがバッと気づいてバチッと目が合う。
(やばっ…!!!)
そう思うけど、その綺麗な瞳からなぜか目が離せなかった。
すぐにセシルくんが目をそらして、お会計を済ませた。
それから素早く出て行ってしまった。
そのとき、セシルくんの頬が赤らんでいたようにみえた。
(熱……??)
体調悪いって…それじゃ毎日なんでこのお店の前を…??
いろいろな疑問が頭のなかにたくさん浮かんできたけど
「お待たせしましたぁ〜!!」
「うわぁ〜、美味しそう〜//」
音也くんと、友千香の声で我に返って美味しいディナーを楽しんだ。