第30章 レン×吸血鬼
それから俺たちは死んだようにお互い眠りについた。
**
次の日、
『レン…起きて…』
○○の声で目がさめる。
「ん…??どうしたんだい?」
『ど、どうしたって…//
か、顔が近いっ…//』
ぼやけた目をこすってみると、
彼女をギュッときつく抱きしめていた。
「あっ、ごめん…痛かった?」
『い、い、痛くはないけど…///』
顔を赤くして俺の腕の中を離れる彼女が恋しくて、
「どこいくの?○○??」
ベッドを出ようとする○○の手をパシッと掴む。
(もう、どこにも行かせたくない…)
『あ、ええと…昨日の気持ち悪かったし、
お風呂…入ろうかな…って…//』
頬をかいて照れる彼女に安心して手を離す。
俺は何を考えてるんだ…
『どうしたの?暗い顔して…』
こちらに向き直って俺の頭を撫でる○○。
そんな彼女の鎖骨にはくっきりと針で刺されたような跡がついていた。
「いや…君の血を吸うのは俺だって…決めてたのに…
はぁ……はやく俺のものにしとけばよかった…」
(なんだか、初めてを取られた気分で悔しくなった。
俺がもっとはやく着いていれば…)
ガシッと彼女に抱きついて
胸元あたりに顔をうずめる。
わかってる。彼女に甘えすぎだ…俺…
『っ………//
レン……』
ガシッと抱きしめる俺を
グイッと離して
プチ…プチ…
と、部屋着のボタンを開け始めた…
「えっ!?!?///
レ、レレレレディ!?!?
なにしてっ…」
慌てふためく俺。
上のボタンを3つくらい開けたところで
信じられないものが目に飛び込んでくる。
『…あれが初めてじゃないんだよ?
吸血鬼に噛まれたの…』
「そ、それは……?」
○○の胸元に鎖骨と同じ跡が付いていた。
しかも、よりくっきりと。
痛々しいほどに。