第30章 レン×吸血鬼
次の日、俺はまだ日が昇らない
彼女が眠っているうちに家を出た。
彼女に行かないでなんて言われたら
いけなくなりそうだったからだ。
レディ…俺は絶対君を忘れないから。
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あの4日間が夢だったかのように月日は流れていった。
俺が戻ってきてからも
吸血鬼による殺人は続いていたが
俺はどうしても他のレディと話す気になれなくて
例のドリンクに頼りきりだった。
(この変な匂いにも慣れてしまった…)
朝新聞を読んでいると、また例の吸血鬼の話が大きく載っていた。
だが、いつもと違う事実がそこに載っている。
「どの女性も、"ヴァンパイヤレストラン"の"ヴァンパイヤジュース"を購入した形跡がある…このジュースは買わないよう呼びかけるとともに
そのオーナーを捜索しているものの、未だ見つけられていない。…だと?」
と、その容疑者らしい男が写真で載っていた。
これは、……
そこに載っている男は吸血鬼特有の綺麗な顔立ちをしていた。
「ジュースを買った…女性…………!!!!!」
(レディが危ない!!!!!)
俺は新聞そっちのけですぐさま部屋を飛びだしていた。