第30章 レン×吸血鬼
夜
チッ…チッ…チッ…
(寝れない…)
真夜中に目をパッチリと開き、
隣ですやすやと眠る彼女を見つめ、するりと髪を撫でる。
(やっぱり、魅力的だ…)
ベッドが一つしかなく、
ソファや布団がないと彼女に言われ、二人で寝ることにした俺たち。
最初は理性がとんで、彼女の血を飲んでしまうんじゃないかなんて、心配だったけど…
「心配する必要…なかったかな…」
あれを飲んだおかげだろう…
久々に血が体に充満してて体が暖かい。
けど…
(自分から変な匂いがする…)
これが恐らく眠れない理由
俺は無防備にすやすやと眠る彼女の首筋を見て、食欲を膨らませていた。