第30章 レン×吸血鬼
『あ、そういやこれ飲むの忘れてた…』
レディがビンを棚から出してきた
「あぁ…そういえば、完全に忘れてたね…」
『まぁ、いっか…飲んじゃおうよ〜』
シチューを食べながら飲みたかったけど
まぁ、よしとして
2人で乾杯をして、アヤシイドリンクを一口飲んでみる。
すると
『うわっ、まっずい…なにこれ、血?』
と、唇をぬぐいながら舌を出すレディ。
俺は「…そうかい?美味しいと思うんだけど…」
と、優雅にグラスをまわす。
『レン、こんなのが美味しいの?
やっぱり都会の人の味覚は分からないなぁ…』
そう言って、私の分も飲みなよとグラスを渡すレディ。
彼女のグラスの中身も飲み干すと、俺はこの飲み物がおかしいことに気づく。
(やっぱり、血…だよな…)
その飲み物は、少し変な成分が混ざっているものの、ほとんど血液と味が変わらなかった。
俺、もしかして、レディを殺さなくてもこのドリンクさえあれば生き延びれる?
なんて考えながら血に飢えた吸血鬼は
その後もジュースを飲み続けた。