第28章 トキヤ×チアガール
ばしゃばしゃとトイレの横の流し台で
顔を洗って冷静さを保とうとする私でしたが、
レンにばれた……??
という不安に心が不安定になります。
そこに、
『い、一ノ瀬さん?
何をしているんですか…?』
という声が聞こえる。
「あ、あぁ□□さん。
お疲れ様です。」
『あ、、お疲れ様です…。』
「…どうか、されましたか?」
少し覇気のない□□さんに
顔を拭きながら尋ねると
『私、なんの役にも立てませんでした…』
と返ってきました。
シュンとするその表情に
中学校の頃を思い出します。
運動会が終わった後、
自分のクラスがあと少しというところで負けて、
みんなの前では我慢していましたが、陰でひっそりと泣いていました。
おそらく、
自分程度が皆の前で泣く権利などないと思ってのことでしょう。
そういう面でも貴女は謙虚な方です。
「そんなことはありません。
貴女は自分のできる精一杯をやり遂げていました。
自分を認めてあげなさい。」
『……ありがとうございます…//』
「い、いえ……//」
自分が何をいってるのかと
恥ずかしくなって、すぐにその場を去りたくなりましたが、
『最後の責任リレー、一ノ瀬さんもでますよね?』
「……えぇ。…」
『お、応援してますから!//』
この笑顔がみれたから
どうってことないです。
「ふふ……はい。//」
軽く拳を握って頑張ってくださいなんていう彼女を抱き締めて何処かへ閉じ込めたくなる…
ダメですね…自分が怖いところまできています。
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そしてお昼。
「ん~モグモグ
おいひぃ~!!!」
「こら、一十木。
食べながら喋っては、飛び散るだろう。」
「あー、ごめんごめん!」
「まったく…貴方と言う人は…
サラダもきちんと食べなさい。」
「イッチー、イッキの母親みたいだね笑」
「だ、っ誰が母親ですか!//」
「へへっ、トキヤはいつも優しいもんねー?」
「う、うるさいですっ!
レンも人をからかうのもいい加減にしなさいっ!//」
「あれ?トキヤくん?
顔、真っ赤ですよ?」
「きっ、気のせいです!」