第28章 トキヤ×チアガール
私はポスターにかかれてある
全女生徒によるチアリーディング
という文字に満足気にしていた。
「すごいな、HAYATOの影響力ってのは…」
急にレンに話しかけられて
ビックリする。
「い、いたのですか……」
「あの番組見てたけど、
まさか、これが狙いだったわけじゃないよなぁ?」
なにか勘付いている様子のレンに、慌てて
「しっ、知りませんよ!
大体私は彼の意見に賛同し得ませんでしたし、
彼の考えていることは分かりません。」
なんて言ってごまかす。
「…ふぅん?
そんなものかね〜
双子なんだし、もっと似ていてもいいのにねぇ…」
それからレンはジロジロと私を見て
「何ですか…?」
と睨むと
「いいや?
なんでも?」
と言って立ち去った。
ほんと、油断できませんね。
彼には注意しないと、
彼女のことだけでなくHAYATOのことまで勘繰られそうです。
**
そして、体育祭当日。
テントの下のベンチに座って
自分たちのクラスの応援をする。
玉入れにリレー、
女子と体育は別々ですから
こんなに動き回っている彼女を見るのは初めてなのですが…
「…どんくさいですね………。」
と、口から漏れてしまいました。
「あぁ、□□ちゃん?」
「わ、私、今、口から…⁉︎」
「うん。…出てたねぇ、心の声が…。」
「べ、別に
か、彼女のことではありません‼︎」
「嘘はだめだよ?
心の声なんて出てなくても、
イッチーはものすごく彼女を見てるからわかるよ」
レンにこう言われて
顔が真っ赤になる
「な、なな何の話かさっぱり…;;」
私がレンの方を向いて慌てていると
その横で翔が立ち上がって
私たちのことなどそっちのけで
「□□ー!がんばれー!」
と、□□さんの応援。
「…□□ですって?」
「やめないか、おチビちゃん。
イッチーがヤキモチ妬くだろ?」
「へ?」
「ヤ、ヤヤヤキモチなぞというもの、
妬くわけないでしょう⁉︎
もう、くだらないこといわないでください。
私はお手洗いにいってきます。」
そして、
私は慌ててその場を去った。