第22章 蘭丸×スポーツユニ(後編)
私は二人が去るのを待って
荷物を持って
走って帰った
タッタッタッ
『はぁ…はぁ………はぁ、』
ドサッ
『うっ、いたたた………
グスッ…
痛い…痛いよぉ………
うっ、うぅぅ………!!!』
涙が止まらなくて
必死に堪えても声が出てしまう。
私にはこんな苦痛は堪えられなかった。
蘭丸先輩の近くにいれたら
それでいいなんて
綺麗事で、
お幸せに。なんて、思っていなくて
本当は体だけの関係で付き合うのも
辛くて、
なのに、みんな、
みんな、
持ってかれちゃった……。
でもこれは、
ちゃんとほしいものを
欲しいと言わなかった私への罰。
『グスッ…痛いよ……』
「ストーカーちゃんっ!?!?」
地べたに座って
泣いている私に手を差しのべたのは
「だ、大丈夫っ!?!?」
嶺二先輩だった。
グイッと腕を引く
力強さには
蘭丸先輩によく似た優しさがあった。
『すいません……
お恥ずかしいところを……//』
それから
近くの公園のベンチで
少し話を聞いてもらった。
蘭丸先輩が浴衣を買った日から
不機嫌になってしまったこと。
七海さんとのこと
距離をおこうと言われたこと。
『昨日の時点でも悲しかったんですけど
まだ、挽回の余地はあるって
勝手に思ってて…』
「……なるほどね…
てことは、ストーカーちゃんは
まだなにも知らないんだね…」
『え、ぁハイ……』
嶺二先輩は
何か知っているのだろうか…
『あ、あのっ、』
「僕から言えることは一つ。
まだ、何も終わってない…ってこと。」
『ぇ………???』
どういうことですか?
って聞こうとしたけど