第21章 蘭丸×スポーツユニ (前編)
『あ、あのっ‼︎』
話しかけると
振り返ってくれる先輩に
連絡先、教えてくださいって
いうつもりだったのに
『す、好きですっ
なんでもしますから、
付き合ってください‼︎』
とか言ってしまった。
「はっ⁇」
驚く先輩に
すぐに守りに入る
『あ、すいません、
気持ち悪いですよね
あの、気にしないでくださいっ
ただのストーカーの戯言なので』
焦った時の癖で
額をかきながら
視線をあげられないでいると
その手をパシッと、とって
「なんでもするって?」
意外と食いついてくる先輩。
『へっ?』
この手は洗いません。
私がこくこくと頷くと
「じゃあ
付き合おうぜ。
俺、好きなやついるから
そいつの代用品としてだけどな。」
少し意地悪そうに笑っているように見えたけど
こんな近くで
先輩を見られるなら
なんだって構わない。
むしろ恋愛相談とかしてほしい。
そんな気持ちで
『もちろんですっ‼︎』
と、初めて自分から視線を合わせた。