第3章 真斗×浴衣
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花火も中盤。
立ち上がってみていた
私たちも
布団にお座りして
見ています。
ヒューーッ ドーーン
色とりどりに光る花火
その色が真斗様を
美しく飾ります。
もう、なんだか、
止まりません。
ドサッ…
「っ、○○!?!?」
明かに戸惑っている真斗様
可愛い…
『ンっ…』
そっと真斗様に
キスをおとします。
レン様に教わったキス。
もちろん実技なんかじゃないですよ?
最初はついばむような軽いキス。
それから、
唇に舌を這わせて
口を開けさせて、
舌を真斗様の口内にねじ込みます。
『真斗さ…ま…っ…ンっ…///』
目を開けて真斗様を
見ようとすると
ドンッ
はねのけられてしまいました。
「いきなり何を!!//」
唇を拭うようにして
私と距離をとる真斗様。
(そんなに、嫌ですか……
拭わなくてもいいのに…)
『……ごめんなさぃ…
そうですよね。
嫌…ですよね…。』
涙がポロポロと溢れてきます。
だって、私ばっかり
真斗様を求めてるの
辛いんですもん。
真斗様は
本当は私のことなんて好きじゃなくて
告白されて
仕方なくつきあってくれてるんじゃないかって…
そう、言葉にするのが
怖くて泣くことしかできません。
『う、…っ…
も、しませ…ん、
だから、嫌いにならないで…
くださ…っ…ぐすっ、』
止まらない涙を
拭いながら
そうお願いしました。
真斗様の浴衣の袖を掴む手は
震えてます。
情けない…ですよね。
すると、その腕をパッと掴まれて
ぐいっと引き寄せられ
ギュウっと抱き締められる。
『へっ?//』
初めてこんなに
密着したかもしれないです…
「嫌いになるわけないだろう。
俺はお前を愛しているんだぞ。//」
ギュッと抱きしめる腕に
力がこもる。
『真斗…さま…ぁ…っ、』
涙がまた出てきました。
今度は嬉し泣きです。
抱きしめ返すと
丁度花火の開く
ドンッという音が聞こえました。
「!!!!!」
『う、うれし…ですっ////
私…もう、…///』
私を抱き締める腕が少し
緩んだので
真斗様を見上げると
口をあけて
驚いています。
『…??
どうかしました?』