第3章 真斗×浴衣
**
チェックインを済ませて
部屋に入ります。
『うわぁぁあ!
いい景色…///』
真斗様を置いてけぼりにして
窓際に走る私。
『真斗様っ!
すごいですっ!』
振り返って、
真斗様とこの景色を共有しようとしますが
「そんなに慌てるな…;;
部屋は逃げたりしないぞ。」
と、私を嗜める真斗様。
(そっか、これくらいの景色…
真斗様にはどうってことないのかも。。)
どれどれ?…と荷物を置いて
ゆっくりとこちらに来てくれましたが
真斗様は私の一歩後ろでじっと
窓を眺めるだけ。
こういうときって、こう…
「お前の方がキレイだ…」
って、手を握りながら見つめてくれたり
「子供みたいにはしゃぐお前も可愛いな…」
なんて、壁ドンならぬ窓ドンッからの顎クイ…
とかあるのでは?
それでなくても手を繋ぐとか…
なんて、大好きな少女漫画のものさしで
色々と考えてしまう私。
真斗様、もしかしてこの旅行
楽しくなかったりしますか?涙
(そんなこと、ありませんように…)
作戦実行前に
心折れかけましたが
真斗様が
「どうした?
具合でも悪いのか?」
なんて
顔をのぞきこんでくるから
『なっなななにもっ
それより、
温泉…いきましょ?///』
(うぅ、
そんな整った顔に見つめられたら…っ///)
と赤くなった顔を誤魔化すように
温泉に行く準備をします。
部屋の押入を開けて
(浴衣…浴衣…
あれ?男性用の大きいのしかない?
あれ?)
と、探しますが…
(あれ!?
浴衣がありません?)
そんなはず、、
と慌てる私に、
「そういえば、
さきほど、
女性用の浴衣が全て使われてしまった
らしくてな、
洋風のだが、パジャマをもらっておいたぞ。」
と、真っ白なパジャマを下さる真斗様。
(パジャマ…)
私はパジャマを見つめて唖然。
えーと、どうしましょう…
いきなり作戦失敗の予感です。