第3章 真斗×浴衣
今日は二人で
温泉旅行。
はじめての二人きりの旅行に
ドキドキが、とまりません。//
真斗様とはもう3ヶ月のお付き合いに
なりますけど、
キスすらまだしたことがないんです。
だから、レン様に
男の子をその気にさせる方法を
教わったんです。
その名も、
裸に浴衣で誘うぞ!大作戦っ!//
その名の通り
下着をつけずに浴衣を着て、
色気ムンムンで真斗様を誘うという
大胆かつ破廉恥な作戦です//
私、今日のために
筋トレ、ダイエットに美肌パック…
とにかくすっごく頑張ったんです。
全ては真斗様に
襲ってもらうため。
私、本気です。
**
『ついたぁー!!』
ロータリーに乗りつけた
真斗様のリムジンから降りて
旅館の外観を見渡す私。
「ん……
なかなか
良いところではないか。
お前はこんな近場で
良かったのか?」
後から降りてきた真斗様がこんなことを
おっしゃいます。
『当たり前です。
結構有名な温泉なんですから!
それに、真斗様と一緒なら
どこでも…///』
「むっ…////」
照れて頬をかく
真斗様の可愛さになんだかキュンとします。
この温泉は
真斗様のような御曹司が来るような
高級なところではないです。
でも、庶民の私には高級旅館に
泊まれるお金も勇気も振る舞いもないので
山奥の自然の中に
ポツンと建つ趣のある温泉旅館に
宿泊することを提案しました。
真斗様は自分が手配すると
言ってくれましたが。
そんなところで安らげるわけないです…涙
てことで、
押しきりました。
ゴロゴロと荷物を
持って旅館のフロントへ向かいます。
「貸せ。
俺が持ってやろう。」
一歩前を歩いていた真斗様が
振り返ってそう言ってくれます。
『うぇぇ!?!?
い、いいですよっ!
重たいですし…//』
首を横に振りますが
「なら、なおさら
持たせてくれ。」
さっと私の手から荷物を取って
軽々と運んでくれます。
普段あまり見ない男らしい振る舞いに
(もう、一生着いていきます//)
なんて、単純な私
『あ、ありがとうございますっ。』
颯爽と前を歩く彼に置いていかれないよう、
小走りで後を追いました。