第15章 レン×裸エプロン
『あの執事って誰です?
それに何故急に聖川様の名前が…??』
まだとぼけるのか。
「お前、婚約者がいるんだろ?」
吐き捨てるように
そう言うと
『えっ?
い、居ませんよ、そんなの…』
「まだしらばっくれるのか?
知ってるんだぜ?
お前があの執事に
婚約を迫られてること。
だが、聖川がいるから、
OKできないでいるんだろ?」
『…???』
なぜ認めない?
そのとぼけた顔にも
段々腹が立ってきた。
「俺のことなんか
見捨てるつもりでいるくせに、
気があるような素振りはやめてくれ…。」
『見捨て…!!!???
どういう意味ですか?
全く分かりません…』
涙を拭いながら
俺を見る○○
「お前、聖川と付き合って
聖川の使用人になるんだろ?
だから、兄貴の執事と別れようとしてるんだろ?
今までそういうこと、
俺に言わなかったのは
俺の前から黙って消えるためだったんだろ?
お前は隠し通せているつもりかも知れないが、
俺は知ってんだぜ?
今日兄貴の執事と人気のない場所で
会ってたことも
毎日のように昼休み
聖川のところへいっていることも。」
情けない言葉を零す
俺の話を聞いて
全て理解した○○は
『っ!!!?
お言葉ですがレン様。
全て誤解です。』
と先程までの涙も何処へ行ったのか
キッパリといい放つ
「誤解って言うなら
隠し事をするな、
何故、執事と付き合ってること
黙ってた?」
『貴方がどういう経緯でそれを
知ったかは知りませんが
そもそも、
私に恋人はいません。』
「は?
じゃあ兄の執事は?」
『あの方は
より、お兄様に
レン様の動きを
詳しく伝えるため
私を取り込もうとしているだけです。
愛はありません。
お兄様にもご相談しましたが、
使用人同士の結婚など
どうでもいいといった感じで、
取り合ってもらえず…。』
「………(なるほど……)
じゃあ、聖川のことは?」