第15章 レン×裸エプロン
綺麗……とか
思うわけないよな。
俺はあいつに
見せつけるように
女の子たちと仲良く教室に戻っていき
自分の席へ座った。
(1番後ろの廊下から二列目)
あいつの席は
俺の席より2つ前の窓際。
振り返って睨まれるかと
思ったけど
あいつの反応は…
ゼロ。
「…」
はぁ…
何をすればあいつは
もっと感情を表すのか…
というか、
俺にたいして何も感じないのか?
いや、そもそも俺はあいつに
どう思って欲しいんだよ…
授業が始まってからも
少し前に座る彼女のことをじっと見つめていた。
**
休み時間、
もうすぐ1日が終わるなー、
なんて
時計を見ながら考えていると
「おい。」
おチビちゃんの声が聞こえる。
「どうしたんだい?」
後ろを振り向くと
ガッと肩を組まれて
ヒソヒソ話。
「お前の彼女、
今日の昼休みAクラスのやつと
浮気してたらしいな。」
「あぁ……。
彼女じゃないんだけど、
それがどうしたんだい?」
「彼女の返事は知らねぇけど、
那月のやつが
そいつが○○をデートに誘ってたって
言ってたぞ。」
「は?」
俺は耳を疑った。
聖川 真斗が…?
そう言えば小さい頃はよく3人で遊んでた
その時はまだ皆何にも縛られずに自由にしてたな…
もしかしたらその頃から…あいつは…
昔のあいつの笑顔を思い出して
少し苛立つ俺。
「ま、そんだけ。
お前、喧嘩してんのか何なのか知らねぇけど
ちゃんとしねーと
取られちまうぞ?」
おチビちゃんはそれだけ言い残して
笑いながら席に戻っていった。
(大きなお世話だよ。)