第13章 音也×保健室の先生
『や、やめてくださいっ!!』
バッと手を振りほどかれた。
ズキッ
びっくりしたのもそうだけど
先生の強い拒絶に
心が痛む。
「先生……」
『私と一十木さんは、教師と生徒です。
そんなの、絶対に許されません。』
「そんなの、バレなきゃいいじゃん!
俺、半年もしないうちに
卒業するし…」
『そういう問題ではありません。
それに…私が…私なんかが
一十木さんの一生を
台無しにするわけにはいかないんです…』
少し声量を落として
俺に言い聞かせるように
静かに話す先生。
「どうしてもダメなの?」
『……
はい……』
「俺が子供だから?」
『!!
そういうことじゃ……』
「分かってる…
先生はそんなこと
言わないもんね…
今まで来てたのも…
迷惑だったよね…
ごめんなさい。」
『迷惑なんて…』
「いいんです、もう。
もう、来ません…
ごめんなさい、
ありがと…先生。」
俺はダッとその場を走り去った。
後ろで
『一十木さん!!』
と、呼び止める声がしたけど、
こんなぐしゃぐしゃな顔…
見せられないよ…