第3章 自炊担当してます。
ってことで。
お風呂なんてちょちょいのちょいって入ればいいんだよね。
背後?そんなの気にしない。ツッキーが何と言おうと気にしない。というか振り返らない。
…せっかくの大きいお風呂なのに!!
まぁ明日からは他の部活もこの合宿所に泊まるから今日だけ我慢…!!
潔子さんも、ここは幽霊とか出たことないって言ってたし。うん、ちゃちゃっと入る!!!
十数分後。
『…早く上がれた』
もしかしたら今までで一番入浴時間短かったかも…。ちゃんと綺麗に洗ったけど!!
早く部屋に戻って寝てしまおう…。
そう思って、素早く服を着て…部屋に戻ろうとしたら…。
日向「瑠璃さん!!」
『あ、翔ちゃんと田中じゃん、どうしたの?』
自販機の前に翔ちゃんと田中が立って喋っていた。…にしてはなんか二人とも怯えてない?
日向「あ、あの、知らない子供見ませんでした…?」
『………は?』
田中「だ、だからいるわけねぇだろ!?ほら!みんなのトコ戻るぞ!?」
日向「で、でも…」
知らない…小さな子供…???
『やだやだやだやだやだ…』
田中「瑠璃…?」
『やだ…!!!もうやだ…!!!』
日向「瑠璃さん!?」
こんなの…こんなの…走って、走って…
『すいませんここで寝かせてください壁にくっついて寝るんでお願いします…!!!』
澤村「急にどうした!?」
男子の部屋に滑り込んで…頼み込むしかないよ…!!
『あ、あの…翔ちゃんが…知らない子供を見たって言うから…もう、なんか、もう…』
澤村「ま、まぁ落ち着け?」
『もう嫌です…!!幽霊が出る場所で独りで寝るとか無理です…!!今日だけでいいんで…!!』
澤村「わ、分かったから…!泣くなって…!」
『大地さん~……』
こんなに人がいることが安心するなんて…!
澤村「ここで寝るのはいいんだけど…布団取りに行かなきゃいけないな」
『…誰か』
一人で戻るなんて絶対嫌だ…!!
月島「僕行きますよ。まさかここまで瑠璃さんが怖がりだとは思ってなくて結構いじっちゃいましたしね」
『ツッキー…!ありがとう…!』
ツッキー…頼もしい…いつもは生意気だけど、今ならすごくかっこよく見える…。