第4章 音駒バレー部のファンしてます。
『っ!?』
急に後ろから声をかけられて、ビックリして振り返るとそこには黒尾さんが…いて…
黒尾「すごい転け方したね?頭とか打ってない?大丈夫?」
私が未だに立ち上がらないので心配してくれたのか、黒尾さんがしゃがんでくれて、私の目の前に、お顔が…
黒尾「大丈夫じゃなさそうだね…?ちょっと待ってな、烏野のキャプテンに連絡…『大丈夫です!!転けたところ見られちゃって恥ずかしくて!!すみません!!』
「烏野のキャプテン」という単語が耳に入ってきて我に帰った。
危ない、大地さん呼ばれたら大変なことになる。
黒尾「そう?なら頭打ってないかちゃんと確認しなよ?」
『大丈夫です!頭よりも膝が…あはは』
そう、膝が痛い。
長ズボン履いてるし、血は出てないと思うけど、明日青あざかなぁ…。
黒尾「膝?どれ、見せてみなさい」
『え…?…いやいやいや恥ずかしい無理です!!あー!治った!治りました!!』
黒尾「そんな見え透いた嘘を…うわ、ジャージ破けてるじゃん…。血も出てるし…、ちょっと待っててね」
ガサゴソと黒尾さんはスポーツバッグを漁り、出てきたのは絆創膏。
黒尾「黒尾サンがおまじないかけてあげるからね〜」
そう言って、黒尾さんが私の擦りむいた膝に絆創膏を貼って…。
え、黒尾さんの指が私の膝に触れてる…!?
……はっ!!ムダ毛処理しててよかった!!
黒尾「痛いの痛いのとんでけ〜…って、瑠璃ちゃん大丈夫?」
『っっっ大丈夫です!ありがとうございます!もう痛くないです!飛んで行きました!!』
黒尾さんの痛いの痛いの飛んでけ………。
黒尾「ならよかった。そういえば忘れ物取りに戻ったの?」
『あ、はい!タオル忘れちゃって…。黒尾さんもですか?』
黒尾「そうなんだよね〜、俺はサポーター』
『大事なものを!ていうか新幹線の時間大丈夫です!?私が悪いんですけど!』
黒尾「大丈夫だいじょーぶ、まだ時間あるからね。一緒に取りに行こうか」
『い、いいんですか…?』
黒尾「いいも何も、行く先一緒だし?あ、歩ける?おんぶしようか?」
『いえ!!大丈夫です歩けますので!』
黒尾「勢いよく断られると悲しいな〜」
まぁいいや、行こうか、と黒尾さんは私の腕を掴んで、立ち上がらせた。
…腕を?掴んで?