第2章 幼馴染してます。
『トイレトイレ〜っと……うん?日向君…?』
菅原さんから逃れるためにトイレに行こうとしたんだけど、その手前で日向君と…髪の毛がツンツン立った青城のジャージを着た男とチャラそうな男の子が話してて…威圧感すごい…。
日向「そんなんじゃねえ!!」
ちょ、大声出して…まさかこんなところでも喧嘩!?やめてよ…!手に負えないよ!?大地さん呼ぶよ!?
日向「偉そうなんてもんじゃねぇんだよ!影山大王の独裁のもとおれという臣民は虐げられ……」
そういや、影山君が何で王様って言われてるのか聞くの忘れてたけど…何となく分かったかも…独裁ね、なるほど、自己チューなのね。
って、なんか日向君達の奥に田中いるし。なんか格好つけてるし。なんかニヤニヤしてるし。
?「影山にとって必要なのは、自分のこと思い通りに動く駒なんだよ。自分が勝つ為に要らないモノは……ポイ」
この髪ツンツンの子、影山君の元チームメートとかかな…?影山君への不満が…。
田中「ふふふふふ」
……ここで出しゃばるのか田中君。
田中「影山が中学のままかどうかは試合で見てみろよ、らっきょう君!」
らっきょう君「ハ!?」
おおう…らっきょう君…。確かにそうだけど、毎朝頑張ってセットしてるんだろうからそんな風に言わなくても…。
田中「なあ日向!」
…。
田中「おい日向!」
……。
田中「おーーい!」
……日向君どうしたんだ?なんか、冷や汗凄くない…?顔色が…。
日向「あっ…ちょっ…お腹イタイッ」
日向君トイレ駆け込んだけど大丈夫なの!?試合目前だよ!?
らっきょう君「じゃあ、楽しみにしてますね」
……。田中の決め台詞が日向君のトイレ駆け込みによって総崩れしたのは可哀想だけど、とりあえず日向君の体調の方が心配…。
田中「あ!瑠璃!なにそこでコソコソしてんだよ!」
『は!?トイレの目の前で男四人が話してたらトイレ行きたくても行けるわけないじゃん!』
こいつは…乙女心分かってないな…だからモテないんだよ!
『てか日向君大丈夫なの!?』
田中「知らねぇよ、いきなりトイレ駆け込むし…」
日向「お、おれは大丈夫です…」
…まさか男子トイレから日向君ご本人のお答えが貰えるとは思わなかった。