第2章 幼馴染してます。
花巻「へ~幼馴染なのか」
岩泉「小学校のとき仲良くてな」
花巻「じゃあ及川とも幼馴染?」
『そ、そういうことになりますね…』
花巻「え、すごい嫌そうなんだけど」
そりゃ…あの及川徹と幼馴染だなんて嫌に決まってます…。
岩泉「俺も嫌だ」
花巻「それはご愁傷様です。あ、岩泉の幼馴染の子、名前なんて言うの?」
『斎藤瑠璃って言います。烏野のマネしてます。今日はよろしくお願いします…!』
花巻「へ~マネちゃんなんだ。俺は花巻貴大って言います。んじゃ~瑠璃ちゃんよろしくな~」
『はい!花巻さんよろしくお願いします!』
花巻さん…すごく良い人…第一印象最高です…。
花巻「んじゃ、俺先に行くな。岩泉もなるべく早く来いよ~」
岩泉「わかった」
…花巻さん、行っちゃった。良い出会いをした気がする。
岩泉「で、何でお前はこんな所を一人でうろちょろしてんだ?」
『あ、そうそう。このリバースジャージを洗いたいと思いまして洗う所を探してました』
岩泉「リバースジャージ?」
そりゃ誰が聞いても岩ちゃんのように疑問に思うでしょうよ。
『そのまま言うとゲロジャージ。体調悪かった子が吐いちゃって…洗うところある?』
岩泉「なるほどな。あ~じゃあ、そこん所の蛇口使えよ。トイレよりここの方が洗いやすいだろ」
そう言って岩ちゃんに指差された場所が、すぐ近くにあった蛇口。建物の外だし、広いし、たしかにトイレより洗いやすい。
『お~!ありがと岩ちゃん!』
岩泉「どういたしまして」
岩ちゃんに遭遇できたし、花巻さんともお話できたし、洗う場所もすんなり見つかったし、青城高校内では私ついてる…!バス内ではうんざりだったけど!でも、残すはあと一つ。
『…徹ちゃんもやっぱいるよね』
そう、青城に来ると逃げ切れないのが及川徹の存在。
岩泉「今日はほとんどいないと思うぞ?病院行ってるからよ」
『え!?怪我してるの!?』
岩泉「いや、ただの捻挫だと思うけどな」
『…なんだ、心配して損した』
及川徹嫌だ嫌だとか言いながら心配するの自分でもどうかしてると思うわ…。
岩泉「試合終盤の頃にでも戻って来ると思うぞ?」
『えぇ~……』
及川徹、出来れば会いたくない。