第1章 マネさんしてます。
『潔子さん!待ってください!』
潔子「あ、瑠璃ちゃん」
こ、これぞ振り返り美人!!!
『アレってジャージのことですよね?手伝います!』
潔子「別に大丈夫だよ。段ボール一つしかないし軽いし」
『ダメです!ここは後輩の私が持ちます!』
一つとは言えジャージ4枚もあるんだから!潔子さんに持たせるわけにはいかない!
潔子「…なら頼もうかな?」
『はい!』
潔子「あ、でももしものために一応私も行くね」
『はい!ありがとうございます!』
優しい…もしも、なんてあるはずがないのに…!潔子さん優しい…!
『部室に置いてあるんですか?』
潔子「うん。昨日届いたの」
『出来立てホヤホヤですね!…新品か〜。私も去年、新品だったのにな』
今自分が着てるジャージを見てみると、一年間着続けただけはあるな〜と思うぐらいヨレてる。
潔子「瑠璃ちゃんはまだあと一年あるんだから綺麗に着なきゃダメだよ?」
『も、もちろんです!ちゃんと洗ってます!』
ちゃんとお母さんが柔軟剤たっぷり使って(多分)洗ってくれてます!
潔子「瑠璃ちゃん、ジャージ来たときは大はしゃぎだったもんね」
『う…あれは田中達に乗せられて…』
潔子「でも凄く嬉しそうだったよ?」
『嬉しかったですけど…掘り返さないでください!恥ずかしいです…!』
クスクスと私の失態を思い出し笑いする潔子さん。いや、笑う潔子さん可愛いけど…!!
去年の私はやらかした、としか言えない。
* * * * *
田中「ジ、ジャージ!!」
『わ、私にもあるんですか!?』
田中「か、かっけーー!!!」
『後ろ!背中!烏野高校排球部って!!』
田中「うわ!本当だ!!」
菅原「はやく着てみろよ!」
『はい!!』
澤村「ジャージ一枚でこんなに騒げるなんて、若いなぁ」
『ぴったし!!わー!!』
田中「俺も!!』
菅原「似合ってるぞ〜」
『田中!写真!撮りたい!』
田中「おっしゃ!ポーズは背中向けてドーンな!」
『あれね!わかった!』
* * * *
とりあえず、恥ずかしい。興奮しすぎでしょ私……。
潔子「あの時の瑠璃ちゃん可愛いかった」
『やめてくださいー!』