第1章 マネさんしてます。
澤村「月島、どうだった?3対3」
月島「…別に、どうでも。エリート校の王様相手だし。僕ら庶民が勝てなくても何も不思議じゃないです」
んも〜、ツッキーはツンツンなんだから…。初めて会った時は良い子だと思ってたんだけどな〜。
澤村「…ふーん。その割に、ちゃんと本気だったじゃん」
月島「……」
『〜〜!!』
田中「え、なんで瑠璃が反応してんだ?」
『だ、だって…!』
菅原「瑠璃は大地のファンだもんな〜」
田中「は?」
『だ、だ、だって!!大地さんの!!満面の笑み!!ツッキーにだけじゃなく私にも…!!』
澤村「……今度な」
『…大地さん冷たい』
田中「瑠璃相手だとそりゃ冷たくなるわ」
なんなのそれ。でも大地さんのさっきの笑顔はこう、ハートがギュンって来たっていうかなんというか!
日向影山「キャプテン!!」
『!?』
こ、この子達は本当…心臓に悪いよ…。声抑えようね…。
澤村「何___…!」
日向君と影山君が大地さんに差し出したのは例のアレ。
くしゃくしゃに折れた入部届け。
…くしゃくしゃになってるけどまぁ、あの子達ならすぐ失くしそうだし、失くさなかっただけお利口だね。
澤村「……」
あ、よかった!ちゃんと大地さん受け取った!
田中や菅原さんの方に視線を送ってみると、二人とも笑顔で頷いてくれた。
なんか、感動のシーン…。
澤村「清水、アレもう届いてたよな?」
潔子「うん」
……アレ?…アレか!あっ!!ちょ!!あんな重い物を潔子さんに持たせるなんて!!
『潔子さん!私も行きます!!もう!私にも言いつけてけださいよね大地さん!!』
良い匂いを体育館に残しながら颯爽と外に出る潔子さんを追いかけてると余計なお喋りが聞こえてきた。
菅原「大地怒られちゃったな〜」
澤村「なんなんだ瑠璃のやつ…?」
菅原「まぁ、大地より清水のことの方が好きってことだろ」
澤村「!?意味が分からん」
菅原「重い荷物を潔子さんに持たせるなんて大地さん酷い!!最低!!とか思ってるべ、きっと」
澤村「!?」
まぁ、菅原さんの言ってることあながち間違いじゃないですけど、最低とまでは思ってません。でも言い訳せずに潔子さんのもとへ!