第1章 マネさんしてます。
菅原「ファンクラブあるのに試合来てくれたことなくね?」
『恥ずかしくて行けないらしいです』
菅原「なんなのそれ」
田中「遠くから見るだけで幸せ〜って俺は聞いたことありますよ!」
菅原「……いつ見られてるかわかんねぇんだな」
『菅原さんモテるんですから〜』
私と田中が凄い凄いって言っても菅原さんは何故か嫌そうな顔してる……。そんなに嫌なのかな、ファンクラブ。
菅原「とっとと帰るべ」
田中私「あ、はい!」
先に歩き出す菅原さんの後を追いかけるように歩き出す田中を少しくい止めた。
『ねぇ田中、菅原さんさ、ファンクラブあるの嫌なのかな?』
田中「ん?…あーまぁ…嫌なんじゃねぇの?俺はあったら嬉しいけど……さっきスガさんいつ見られてるかわかんねーのか的なこと言ってたしよ」
『あーなるほど。言わなかった方がよかったのかなー…』
田中「仕方ねぇよ。俺もスガさん知ってると思ってたし。あんま気にすんな」
……田中は気にすんなって言ってくれてるけど、でもなぁ。って先を歩く菅原さんの背中を見てたら急に菅原さんが振り返った。
菅原「イチャイチャせずに早く帰るぞー」
田中私「し、してません!!!」
振り返った菅原さんはいつもの輝かしい笑顔だったからちょっと安心した。
田中とイチャイチャって言うのは聞き捨てならないけども!
『菅原さーん!肉まん奢ってくださーい!』
菅原「あれ、瑠璃が三年に奢ってくれるんじゃなかったか?」
『……縁下は!?』
田中「大量の課題があるからって先帰ったぞ」
『はぁーー!?』
菅原「じゃあ瑠璃、肉まんよろしく〜」
なんて菅原さん言ってたけど、坂ノ下商店に辿り着くと菅原さんが先に入って三つ肉まんを買い、私と田中に一つずつくれた。
田中私「あざーっす!」
『い、いいんですか!?』
菅原「ん、いいよ。俺だけ奢ってもらうのもなんだし、大地いるときに奢ってもらうわ」
『う、はい……』
菅原さんはやっぱり意地悪だけど、肉まんは暖かくて美味しかったです……。