第1章 マネさんしてます。
『い、いや、影山君足疲れるでしょ……?だからしゃがまなくても……』
影山「いや、しゃがむのなんてバレーで慣れてますから」
うん、たしかにバレーは中腰の姿勢が基本姿勢だもんね。……っていやいやいやいや
『慣れる!慣れるから!!影山君!!これからよろしくね!!だから普通に立とう!』
影山「ならいいです」
すると、スクッと普通の姿勢に戻った。なんなのこの子……。不思議っ子ちゃん……?
影山「斎藤さん、買わないんスか?」
『え?あーうん、何買おうか迷ってて……』
影山「じゃあ俺先に買いますね」
『どうぞどうぞ』
チャリンチャリンとお金を入れる影山君。何買うんだろ。……え?
ピッ
まさかのボタン二個押し???
影山「?なんスか?」
『いや、なんでもないよ』
影山「……変なの」
おい、先輩に向かって変とは何だ。お前の二個押しの方が変だからな?
?「日向はさ」
影山「日向……?」
『あれ、この声……』
?「影山を倒したくてバレーやるの?」
『あ!菅原さん!』
自販機から声のした方へ覗いてみるとやっぱり菅原さんがいた!!昼休みに菅原さんに会えるなんて!!
影山「……?何で俺の名前……」
?「えっ!?えーっと…」
『あの小ちゃい子って……』
影山「あいつは日向です。バレー下手くそなんですけど運動神経だけは良くて……」
『へぇ……』
日向「影山を…倒せるくらい強くなりたいんです。そうすればきっと色んな強い相手とも互角に戦えるし、試合で簡単に負けたりしない」
影山「……」
日向「おれ、もう負けたくないです」
……なるほど、こいつら訳ありだな?まぁ昨日喧嘩してた時点で訳ありだけど。
影山「……俺、戻りますね」
『あ、うん!また後でね!』
影山「……俺、部活出れませんから。また土曜日に」
『あ、そっか……ごめん……。じゃ、じゃあまた土曜日に……』
影山「うす」
うわー、やっちゃったよ……そういえば練習禁止だったよ影山君……。怒ってませんように……。
菅原「よし!じゃあレシーブやるべやるべ!」
日向「!しゃス!!」
あっ!菅原さんに挨拶しに行こーっと!次いでと言っちゃあれだけど日向君にも自己紹介しなきゃ!!