第7章 再会と心の段
きり丸君と話をするとあっという間で、今度は友人を紹介したいと言われた。
(私の本当の現状を聞いたら、あの子はどう思うのかしら。)
左手で手を振りながら、きり丸君を見送り扉が閉まりきり丸君の気配が遠退いたのを確認した後…
土井先生を軽く睨む
「そう怖い顔をするな。あの子に会いたかっただろ?」
「私がですか?今の状態の私を知らないから良いですが、知ったら思う事は違いますよ。土井先生。」
敢えて最後の“土井先生”という言葉を強めに言うと、土井先生は大きな溜め息を吐き
「彩さん。貴女は立派に己の任務の事を考えて行動している。忍者としては素晴らしいと思います。」
ですが…と土井先生は言葉を続ける
「忍である前に貴女は1人の女性だ。女性としての今の貴女を出しても良いのではないですか?」
「え?」
土井先生の言葉の意味が分からず思わず首を傾げると…
フワッと土井先生の手が私の頭を触れて撫でた。
「身体もそうだが、心が休めなきゃ身体なんて回復しないのだよ?」
「土井先生…」
「その呼び方。君は私の生徒ではないでしょう?」
もう一度と言いながら、撫でてない方の指1本を立てて見せる
私は少しの恥ずかしさと少しの悔しさに感情がグチャグチャになっていた。
だが……
今は返事が先だ
「…はい。半助さん。」