第7章 再会と心の段
食堂のおばちゃんには学園長から話を聞いているらしく、お粥が入った土鍋などが乗ったお盆を持ち、私は客間に向かっていた。
新野先生の話では、寝てたというが神経を張り巡らせているのが分かり、起こしたり直すことは出来なかったが、膝を抱えて寝てたらしい。
神経を張り巡らせないとだが、少しは寝てくれて安心した。
だが、何故…膝を抱えたままなのだろう。
ー半助。今、この学園ではあの娘にとって敵ばかりかもしれん。だが、唯一…お前は知ってる。あの娘の味方になれるのだよ。ー
(分かってますよ。)
朝に言われた山田先生の言葉を思い出して、自らの考えも固まってきている。
昨夜は敵に向けての事をしたが、彩さんと分かった時…変装を解いた時にも更に確信したが……
今は敵対心なんてない。
(今、私に出来る事は……あの娘の警戒を少しでと解く事。)
考えてる内に彼女がいる客間の前に来た。
ふぅ…と軽く深呼吸をして扉を開けた。
そこには、私の姿に驚きを見せる彩さんがいた。
(先に食事を取らせて、薬を飲ませなきゃ。)
微笑みながら私は部屋に入った。