第7章 再会と心の段
「……んっ……」
視界が明るくなる
私はいつの間にか膝を抱えながら寝ていたらしく軽く伸びをした。
(久しぶりに気付かないうちに寝ちゃう程、よく寝たかもしれない。)
窓を見ると日は一番高かったのでお昼なのが分かった。
その時…
ガラ
扉が開いた音がしたので、顔を向けると…
土井先生がいた。
「あぁ…良かった。起きていたね。」
言葉と一緒に微笑む土井先生
(当たり前だけど、久しぶりにこの人の笑みを見たかも…)
「えっ…えぇ……今さっき。」
「そうなのか。ご飯を持ってきた。食べれるか?」
土井先生の手には食器がいくつか並ぶお盆があった。
布団にちゃんと戻りながら頷くと土井先生はまた微笑み、私の横に座りお盆に乗ってる土鍋からよそってくれてる。
「なんで……」
「あぁ、さっき新野先生が君を見に行ったら、君は寝てたから近寄ったり布団に入れるために触れたら起きちゃうだろうから、敢えてそのままにしたんだって…ちゃんと布団に入らないとダメじゃないか。」
「ちがっ……そうではなく。」
「ほら!食堂のおばちゃんに頼んでお粥を作って貰ったよ。食べなさい。」
お茶碗に盛られたお粥と漬け物と、木のスプーンも渡される。
「あっ……でも……」
「何だ?まさか、食べれないとかなのか?今…冷まして……」
お茶碗に触れようとした土井先生の手から逃れるよう引く
「た、食べれます。子供ではありません。」
「なら、いいけど。」
「でも……」
「私は此処にいる。話なら、これを全て食べて薬を飲んだらだ!いいね?」
何故だろう……
逆らえない?
否…
逆らおうと気持ちが私にはなかった。