第5章 任務の段
学園に着き、利吉と別れ、半助が教師の服である黒の忍装束に着替えた時
山田先生に学園長の庵へ来るよう言われた。
学園長の庵には、半助・山田先生・利吉・学園長の4人で揃ってた。
山田先生は利吉を見て
「利吉、話せ」
「はい。実は学園長の身が危うくなるかもしれないのです。」
「なんじゃと?」
「私がある城からの任務を終えて、ここから少し離れた町へ立ち寄った時の事です。団子屋で町民の話を聞いたんです。」
ーさっきの人は尋ね人は見つかるのかねぇ?ー
ーさぁな。大川なんとかウズマサだっけ?なんて知らないし聞いたこともない。ー
ーあの!ー
ーん?なんだい?兄さん。ー
ー今、大川って…ー
ーなんだ?兄さんも探してるのかい?ー
ーあ……えぇ、まぁー
ー俺らはその人の事知らないよ。ー
ーいえ、聞きたいのは…その尋ね人を聞いてきた人です。ー
「それで相手は?」
「それが少し小柄な男なのは分かりますが、笠を深く被っていて顔までは分からないそうです。ただ刀は無かったので侍では無いというのは分かりました。」
聞いてきた学園長はウーンと腕を組み、山田先生が口を開く
「となると…」
「忍ですね。」
半助の言葉に一同が頷く
「いちよう、ここの辺りを回ってみましたが、気配を消すのが上手いか、本当にいないのか……それらしい人物はいませんでした。」
利吉でさえ見つけられないとなると、手練れというのは全員で分かった。
「どうします?学園長」
「うん。ワシの事を狙うとは面白いヤツよのう。手練れとなれば忍たま達を使う訳にはいかぬ。」
山田先生の言葉にニッと口だけ笑みを浮かべた学園長は…
「わざと誘い込めばよいのじゃよ。」
「「え?」」